人生を楽しくする本

 

人生を楽しくする本         

        前多肇先生(理工学域-物質化学類)

 

 私は本を読むのが大好きだ。電車の中,病院の待合室,一人で食事をとる時には,必ず本を読んでいる。12,000冊ほど所有していたが,これまでに7,000冊ほど自分でスキャン(自炊)した。スキャン済の本は捨て,データをiPadに入れて読んでいる。今は1年に1,000冊ほどスキャンしているので,残りの5,000冊はあと5年ほどですべてなくなる計算だ。これまでに7回引っ越しをしたが,本が詰まった段ボールの山と闘ってきた。本は大切であり,なかなか捨てる気にならない。これを解決してくれたのがスキャン(自炊)→紙の本は捨てる→iPadで読むという方法である。このおかげで,現在は快適な読書生活を楽しんでいる。  
 昔は,お気に入りの本を求めて街中の本屋をうろついていたものだが,今はネット上でクリック一つで購入できる。紙の本はどんどん電子書籍化されている。時代が変わり,本の形や流通が変わってきても,本の役割は変わらない。本は先人達の英知である。  
 学生諸君,好奇心旺盛であれ! 調べ癖を持て! 情報に貪欲になれ! 余った時間は自分のために使え!(それが周囲の人のためにもなる!)自分を磨くのは自分しかない!  
 こんな私のおすすめの本を以下に示す。

 

 
1)シャーロック・ホームズの冒険/コナン・ドイル著;延原謙訳,新潮社, 2011
   (中央図開架; 933:D754)
 イギリスの小説家,コナン・ドイルが1891-1892年に書いた12の推理小説短編が収録されている。シャーロック・ホームズシリーズの最初の短編集である。難解な事件をホームズが推理して謎を解き,友人であるワトスンの協力を得ながら,事件解決へと導く。古い本ではあるが,今でも推理小説の金字塔と言えるだろう。推理好きにはたまらない?
2)ボッコちゃん ; どこかの事件/星新一著,新潮社, 1979
   (中央図開架; 918.6:S556:67)
 ショート・ショートの開拓者,星 新一 氏による初期の短編集である。ユーモアあふれる,時にはスリリングな50編のショート・ショートが掲載されている。1編あたり5〜6ページ。最後の数行であっと驚かされる結末を迎えるのが特徴で,読んでいてとても楽しい。ぜひお試しあれ。
3)民法おもしろ事典/和久峻三著,中央公論社, 1986
   (中央図開架; 324.04:W149)
 遺産相続・約束事・借金・隣人関係など,生活の中のよくあるトラブルを題材とし,クイズ形式,図解で分かりやすく説明している。法律の意味(意図)がよく理解できるため,とても面白い。シリーズものとして,刑法,商法,憲法のおもしろ事典もそれぞれ出ているので,あわせてぜひ読んでみることをおすすめする。
4)ゼニの人間学/青木雄二著 ,ロングセラーズ, 2009
   (中央図開架; 338.7:A638)
 大ヒットした漫画「ナニワ金融道」の著者,青木雄二氏が書いた,社会の裏を暴く本である。百兆円の約束手形を切ったらどうなるか,手形や連帯保証人の怖さを学校で教えるべき,神様は人間が作ったもの,資本主義で儲かるのは〇〇,あいりん地区から総理大臣を出せ,など,普段知ることのできない驚くべき世界が見えてきます。
5)変わらなきゃの話/森毅著, KKベストセラ-ズ, 1996
   (中央図開架; 338.7:A638)
 京都大学名誉教授,森 毅 先生のエッセイ集。73編のエッセイが収録されており,どれから読んでも構わない。一つ一つのエッセイの中で,話がいろんな方向へと飛ぶのに驚かされるが,読んでいくうちにそのいくつかの関連のなさそうな話が一つの方向にまとまって収束する。ハッとし,考えさせられ,何かを得たような気になれる。こんな先生がいたら大学生活もきっと楽しいかも?
6)先生の一言/リクルートキャリアガイダンス編, 学陽書房, 1997
   (中央図開架; 338.7:A638)
 大学教員として学生と話をするとき,こちらからの何気ない一言で学生が傷ついていることがある。逆に,こちらの何気ない一言で学生が感動するときもある。この本は主に高校の先生の一言を集めた本であるが,楽しく書かれており,読んでみるとためになる。将来,教員を目指す人は,ぜひ読んでみてほしい。
7)なぜあなたは論文が書けないのか?/佐藤雅昭著 ,メディカルレビュー社, 2016
   (中央図開架; 816.5:S253)
 我々大学教員は,論文を書くのが仕事である。どれだけ忙しくても,これだけはサボってはいけない。ただ,私の論文リストを見てもらうと分かるように,私にもサボっていた時期があった。この本では,論文を書くことの意義や,論文を書かない人(時期)の特徴,論文を書く人(書かない人)の心理などが述べられており,非常に面白い。内容は平易であり,特定の分野に偏っていないため,多くの研究者にとってためになると思う。
8)iPadでつくる「究極の電子書斎」/皆神竜太郎著, 講談社, 2010
   (中央図開架; 816.5:S253)
 紙の本をスキャン(自炊)して捨て,iPadに入れると,自分だけの図書館(電子書斎)ができる。 (1)本が占領していた場所が空く,(2)旅行・出張先でもすべて読める,(3)本が劣化しない,(4)検索が簡単,など,メリットは計り知れない。デメリットとしては,データの紛失と流出に細心の注意を払わなければならないことだけである。ぜひ試してみては?
 
9)サバイバル ワイド版/さいとう・たかを著, リイド社, 1994-1995
   (中央図開架; 816.5:S253)
 巨大地震の後,無人島に一人残された少年が,大自然の中で生き抜く姿が描かれている。狩猟採集生活で何とか食糧を調達し,限られた道具で何とか火を起こす。崖を利用して住居を作り,ネズミに食糧を食われ,食中毒にも遭う。大自然の中で,自分の力だけで生きていくのがどれだけ大変なことか,この本を読むとよく分かる。