「思考の森」企画展「シャイニング・プリンス:『源氏物語』翻訳本の世界」 Shiko no Mori Exhibition ”Shining Prince:The World of The Tale of Genji in various translated versions”

中央図書館「思考の森」では企画展「シャイニング・プリンス:『源氏物語』翻訳本の世界」を開催中です。展示ケースを新しいものに更新したのを機会に現物の展示を行っていますので、是非この機会にご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■展示期間
2024年10月1日(火)~12月26日(木)

 ※担当職員が展示物を解説するギャラリートークを行います。お気軽にご参加ください。

  10月11日(金)、11月13日(水)各回12:20~ 15分程度

 

■展示場所
中央図書館2階「思考の森」展示コーナー

 

■展示内容

『源氏物語』が紫式部によって書かれて1000年以上になります。これほど長く、広く、日本文化に影響を与えて来た古典作品は他にないでしょう。その一方で、古い時代の言葉で書かれた54帖に渡る長大な作品全体を原文で読み通すことは、時代を追って難しくなってきています。その解釈のために多数の注釈書が書かれ、明治以降はその時々の現代語訳が続々登場しています。中でも特筆すべきは、アーサー・ウェイリーによる英訳版です。この翻訳により『源氏物語』は世界に広まりました。近年このウェイリー版を日本語に訳し戻した版まで出てきています。與謝野晶子による口語訳版の登場以降、現代語で『源氏物語』を読むことが増えてきている中、本物の持つ「言葉の魅力」が失われてしまうのでは、という懸念もあります。

 

今回の展示では、時代を越えて解釈され訳され続けてきた、『源氏物語』の色々な翻訳本を金沢大学附属図書館の蔵書の中から紹介します。翻訳本の意義と問題点を考えながら、『源氏物語』の世界に深く入っていくための入口になることを期待しています。

 

今回は以下の資料を展示しています。
-The tale of Genji / translated from the Japanese by Arthur Waley ※1920年代に英訳されたもの
-新編紫史 ※明治時代に文語体に訳されたもの。木製の箱入り
-新訳源氏物語 /与謝野晶子訳 ※大正時代の現代語訳
-潤一郎訳源氏物語 / 谷崎潤一郎訳 ※昭和時代の現代語訳
-湖月抄 / 北村季吟 ※江戸~明治期に読まれた注釈書

 

その他、各版の同一箇所(「桐壺」の冒頭)の訳文を比較するパネルを用意します。

 

■問い合わせ
学術情報課貴重資料担当 

e-mail: collection@adm.kanazawa-u.ac.jp