「思考の森」企画展「パーシヴァル・ローエルの『NOTO』と能登の風景の記憶」 Shiko no Mori Exhibition ” Percival Lowell’s “Noto” and Memories of Noto’s Scenery”

令和6年能登半島地震の発生から1年。能登の自然の豊かさ・美しさを再認識し,復興支援に資するため、中央図書館「思考の森」では企画展「パーシヴァル・ローエルの『NOTO』と能登の風景の記憶」を開催中です。この機会にご覧ください。

 

 

 

ローエル著『NOTO』の標題紙(左)と明治期の地質図(珠洲岬)(右)(いずれも旧四高所蔵)

 

■会期

2025年1月6日(月)~3月28日(金)

※会期中に担当職員が展示物を解説するギャラリートークを行います。お気軽にご参加ください。
1月8日(水),1月28日(火)各回12:20~ 15分程度

 

■展示場所
中央図書館2階「思考の森」展示コーナー

 

■展示内容

半島の先端にある能登地方は,いつの時代も「旅の行き先」でした。明治20年代,アメリカ人のパーシヴァル・ローエルが辺境を求めて旅し,昭和40年代の高度経済成長期には古き良き日本の風景を探して「能登ブーム」が起きました。1年前に発生した令和6年能登半島地震の後,多くの能登の風景が「記憶の中だけ」のものになってしまいましたが,その風景は多くの本の中に残されています。

 

今回の展示では,多くの人たち記憶の中に残る能登をパーシヴァル・ローエルの『NOTO』と昭和40年代に刊行された本に掲載されていた写真からたどります。あわせて四高時代に使われていた石版画技法(リトグラフ)で作られた明治期の能登の地質図も展示いたします。

 

この展示が能登復興支援につながることを願っています。

 

パーシヴァル・ローエル著『NOTO』とは?
米国の天文学者・パーシヴァル・ローエル(1855~1916)が,1889(明治22)年5月に行った能登旅行の様子を綴った英文による紀行文。旅行の折り返し地点の穴水町(現石川県鳳珠郡)にはその顕彰碑がある。今回の展示本は第四高等学校で所蔵していた1895年発行(第2刷)のものである。ローエルは一般的には冥王星の存在を観測と計算により予知した天文学者として知られているが,日本や東洋についての研究者でもあった。その著作はラフカディオ・ハーンからも高く評価され,ハーンの来日を促したと言われている。

以下の資料を展示します。

-Noto : an unexplored corner of Japan / by Percival Lowell. Boston : Houghton, Mifflin and Co., 1895, c1891.【旧四高蔵書】

 ⇒ Internet Archive(米国の電子図書館)の右のページから全文を閲覧できます。https://archive.org/details/notounexploredco00lowe_0/page/n7/mode/2up

-NOTO : 能登・人に知られぬ日本の辺境 / パーシヴァル・ローエル著 ; 宮崎正明訳著. 金沢 : 十月社, 1991.10. 【中央図開架】291.43:L916
-珠洲岬圖幅 / 地質調査所 [編] 明治40(1907)年 【旧四高教育掛図コレクション】
-輪島圖幅 / 地質調査所 [編] 明治41(1908)年 【旧四高教育掛図コレクション】
-奥能登 / 朝日新聞社編. 東京 : 朝日新聞社, 1968. 
-北陸能登 : 文学と歴史の旅 / 駒敏郎著(カラーブックス ; 173). 大阪 : 保育社, 1969.6. 

-写真集奥能登 / フォート集団能登編集. 金沢 : 北国出版社, 1971.9.

-ボラ待ちやぐら(模型)

 

■ガイドペーパー

今回の展示解説用資料です。

 

■問い合わせ
学術情報課貴重資料担当 

e-mail: collection@adm.kanazawa-u.ac.jp