第58回金沢大学暁烏記念式・記念講演「近代社会における宗教の役割」

日時:平成19年4月19日(木)14:00~16:00
 場所:金沢大学附属図書館AV室[
地図

○記念式典(午後2時00分~2時30分)

○記念講演(午後2時30分~4時00分)

 近代社会における宗教の役割
   -仏教とウェーバー-

 
 講師:立川武蔵氏(愛知学院大学教授)


*PDF版のポスター

【記念講演講師紹介】

立川武蔵(たちかわ むさし)
名古屋市生まれ,愛知学院大学文学部国際文化学科教授,国立民族学博物館名誉教授。名古屋大学文学部哲学科(印度哲学)卒,ハーバード大学大学院修了。名古屋大学文学部教授,国立民族学博物館教授を歴任後,2004年4月から現職。専門は,アジアの宗教文化,インド学,仏教学。『空の思想史』講談社 2003,『般若心経の新しい読み方』春秋社 2001.12 他著書多数


[暁烏記念式とは]
石川県松任市出身で、明治・大正・昭和の思想界・宗教界に大きな影響を与えた暁烏敏(あけがらす・はや)師が、個人蔵書としては類を見ない広範な学問分野の書籍約5万冊を、金沢大学に寄贈されたことを記念し、師の遺徳を偲ぶ行事として、毎年挙行されている。今年は58回目を迎えた。

[暁烏 敏について]
暁烏敏(1877~1954)は,松任市の明達寺に生まれた真宗大谷派の僧である。明治時代は,宗門の禁書であった『歎異抄』を始めて世に広め,仏教の近代化に尽くした清沢満之の信仰をつたえ,仏教雑誌『精神界』に執筆編集した。

大正時代には,自己の性欲の懊悩の中から,独立者としての人間の解放を課題とし,年の三分の二は全国を行脚して信徒たちに語った。昭和時代前期には,世界の宗教と哲学と文学とを渉猟し,自らも世界を旅し,「浄土」としての国家の在り方を求めた。
 
晩年は全くの盲目となり,鑑真にも似た風貌には,人間の深い精神性が体現されている。昭和25年,青年時代から集めた5万冊余の書籍を「暁烏文庫」として金沢大学に寄贈した。(松田章一記)