第56回金沢大学暁烏記念式・記念講演「自由の精神」


日時:平成17年4月29日(金・祝日)14:00~ 16:00


◎記念式  14:00~

◎記念講演
 14:30~

◎場  所
 金沢大学サテライト・プラザ(金沢市西町教育研修館内)
 
        金沢市西町3-16 / TEL 076-232-5343地図

◎記念講演(「市民大学院」開講記念講演) 
「自由の精神-西田幾多郎と鈴木大拙に学ぶ」


講師: 竹村牧男氏(東洋大学教授)

当日の配布資料 [docファイル]
自由の精神(要旨) 
自由の精神(資料)

【記念講演講師紹介】
■略歴
東京大学文学部印度哲学科卒業,東京大学大学院人文科学研究科印度哲学専修過程博士課程中退。東京大学文学部助手,文化庁文化部宗務課専門職員,三重大学人文学部助教授,筑波大学助教授 哲学・思想学系,同教授を経て, 2002年4月から東洋大学文学部教授。 この間、高野山大学、日本大学、成城大学、北海道大学、東京大学の非常勤講師を勤める。

1986年日本宗教学会賞受賞  『大乗起信論読釈』山喜房仏書林、1985年
1993年7月  『唯識思想論攷―三性説の哲学的究明』により、博士(文学)〔東京大学〕 

■主要業績
(著書)
『大乗起信論読釈』    山喜房仏書林、昭和60年10月 
『唯識の探求』      春秋社、平成4年4月 
『唯識三性説の研究』   春秋社、平成7年2月  
『良寛『法華讃』評釈』  春秋社、平成9年8月 
『親鸞と一遍』      法蔵館、平成11年8月 
『唯識のこころ』     春秋社、平成13年6月 
『ブッダの宇宙を語る―華厳思想』(上) NHK出版、平成14年4月 
『ブッダの宇宙を語る―華厳の思想』(下) NHK出版、平成14年10月 
『西田幾多郎と仏教』 大東出版社、平成14年11月 
『禅の哲学』 沖積社、平成14年7月

(論文)
「唯識系の仏教」(『仏教の東漸 東アジアの仏教思想Ⅰ』、春秋社、平成9年2月) 
「「逆対応」の宗教哲学―西田幾多郎における「絶対者」と「自己」」(『哲学・思想論集』〈筑波大学哲学・思想学系紀要〉第23号、平成10年3月 
「華厳思想と即身成仏」(『智山学報』第48輯、平成11年3月) 
「「平常底」の宗教哲学―宗教と自由と歴史の地平」(『宗教哲学研究』第18号、京都宗教哲学会、平成13年3月) 
「道元の思想―その基本にあるもの」(『道元の世界―現代に問いかける禅』、日本放送出版協会、平成13年6月)
「道元の修証論」(今井雅晴編『中世仏教の展開とその基盤』大蔵出版、平成14年7月) 
「華厳思想のキーワード」(『大法輪』平成14年10月号) 
「良寛さまの法華経1」(『在家仏教』平成14年11月号) 
「良寛さまの法華経2」(『在家仏教』平成14年12月号) 
「縁起と個物」(『大乗禅』平成14年11月号)
(テレビ出演)
竹村牧男 「NHK心の時代~宗教・人生 ブッダの宇宙観を語る」  教育テレビ、第三日曜日5:00~(再放送・第四日曜14:00~)

所属学会
日本印度学仏教学会理事 
仏教思想学会理事 
日本宗教学会評議員/『宗教研究』編集委員 
比較思想学会理事 
東方学会

■研究活動 
(専攻領域・最近の研究テーマ)
日本仏教(これまで唯識を中心に研究してきたが、東洋大学に田村晃祐教授の後任として赴任後、主に日本仏教がテーマ。)
禅と浄土、華厳思想、西田哲学と仏教等

○ 平成15年度特別展「加賀の三たろう展」
鈴木大拙(鈴木貞太郎)、藤岡東圃(作太郎)、西田幾多郎 四高の同級生
平成15年6月15日に、記念講演として『大拙と西田の世界的意義について』をテーマに講演。
この協賛事業として石川県西田幾多郎哲学記念館1周年記念特別講演会において
平成15年5月25日に、『西田幾多郎と鈴木大拙』をテーマに講演。



[暁烏記念式とは]
石川県松任市出身で、明治・大正・昭和の思想界・宗教界に大きな影響を与えた暁烏敏(あけがらす・はや)師が、個人蔵書としては類を見ない広範な学問分野の書籍約5万冊を、金沢大学に寄贈されたことを記念し、師の遺徳を偲ぶ行事として、毎年挙行されている。今年は53回目を迎えた。

[暁烏 敏について]
暁烏敏(1877~1954)は,松任市の明達寺に生まれた真宗大谷派の僧である。明治時代は,宗門の禁書であった『歎異抄』を始めて世に広め,仏教の近代化に尽くした清沢満之の信仰をつたえ,仏教雑誌『精神界』に執筆編集した。

大正時代には,自己の性欲の懊悩の中から,独立者としての人間の解放を課題とし,年の三分の二は全国を行脚して信徒たちに語った。昭和時代前期には,世界の宗教と哲学と文学とを渉猟し,自らも世界を旅し,「浄土」としての国家の在り方を求めた。
 
晩年は全くの盲目となり,鑑真にも似た風貌には,人間の深い精神性が体現されている。昭和25年,青年時代から集めた5万冊余の書籍を「暁烏文庫」として金沢大学に寄贈した。(松田章一記)


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